すべてはここから始まった~僕たちの量産型ザクを考える~
旧キット量産型ザク 制作工程
― 工作・塗装・色選びの記録 ―
本ページでは、旧キット1/144量産型ザクの制作工程を、 単なる作業手順ではなく「考え方の記録」としてまとめています。
近年のガンプラは、組み立てるだけで高い完成度が得られる一方で、 旧キットは作り手の判断がそのまま完成形に反映されます。
本記事では、合わせ目消し・プロポーション調整・塗装工程・色選びについて、 なぜその作業を行ったのかを中心に解説します。
制作前の考え方
今回の制作では、大きな改造や最新フォーマットとの比較は行わず、 旧キットらしさを尊重しながら完成度を高めることを目標にしました。
旧キットは入手が難しくなりつつある一方で、 当時の設計思想や造形を最も素直に体験できる貴重な存在です。 さらに、初心者でも制作から完成までの流れを実感しやすく、 「作る楽しさ」を改めて感じられる点も大きな魅力だと考えています。 こうした理由から、あえて旧キットのザクを製作することを、 本サイトの核となるコンセプトとしています。
初心者として原点に立ち返り、 「最後まで完成させる」ことを最優先に制作を進めました。
- 当時のプロポーションを尊重する
- やりすぎない工作
- 理由を説明できる加工だけを行う
説明書ページ一覧 / Manual Pages
説明書 1ページ目
パーツ配置と組み立て順のみが簡潔に示されています。 塗装や仕上げについての指定は少なく、 作り手の解釈が前提となる構成です。
説明書 2ページ目
可動やポーズの指定はほぼなく、 完成形を想像しながら組み立てる必要があります。 この余白の多さが旧キットの魅力でもあります。
合わせ目消しについて
旧キット量産型ザクは、合わせ目が非常に目立つ構造です。
今回は、接着材を多めに使い、 いわゆる「ムニュッと出す」方法で合わせ目処理を行いました。
この工程は、初心者から上級者まで幅広く使われている基本的な方法で、 プラモデル特有のパーツ分割感を抑える効果があります。
完璧な消失を目指すよりも、 完成後の全体印象を重視して処理しています。
上半身のハの字加工
旧キットは直立姿勢になりやすいため、 胴体と脚部の接続角度を調整し、 わずかにハの字になるよう加工しました。
カットした部分はプラ板で補強し、 強度と見た目のバランスを保っています。
・角度は最小限に抑える
・正面から見た印象を最優先
足首の別パーツ化
足首はアルミ線で固定し、簡易的に別パーツ化しています。
可動範囲を大きく広げるのではなく、 接地性と安定感の向上を目的とした加工です。
ソールや膝アーマーにスジ彫りを追加することで、 別パーツ感を強調しています。
頭部の加工
旧キット量産型ザクの印象を大きく左右するのが、頭部の処理です。 特にモノアイ周辺は、手を入れるかどうかで 完成後の情報量と説得力が大きく変わります。
今回は、モノアイ部分をカットすることで 塗り分けをしやすくしつつ、構造的な整理を行っています。 この加工により、モノアイの別パーツ化も可能になり、 視覚的な立体感が一段階向上します。
また、モノアイガードを作り直すことで、 頭部全体の輪郭が引き締まり、 ザクらしい無骨さとリアル感が強調されます。
決して難しい加工ではありませんが、 完成時の印象に与える効果は大きく、 ザク制作では定番かつ外せない工程だと感じています。
塗装工程と色選びの考え方
旧キットでは、塗装が完成度を大きく左右します。 特にシンプルな造形だからこそ、色の選び方がそのまま印象になります。
パーツ分割がシンプルな分、 色のトーンや組み合わせがそのまま印象につながります。
ガンダムカラーを基準にする理由
今回は、ガンダムカラーを基準に塗装を行いました。
指定色に縛られすぎず、 完成後の全体バランスを優先しています。
思わぬ発見があった色
試しに使用した日本海軍色系のグリーンが、 想像以上に旧キットと相性が良い結果となりました。
やや明るめのトーンが、 アニメ的な印象を残しつつ情報量を増やしてくれます。
旧キット量産型ザクの印象は、 塗装によって決定的に変わると感じています。
パーツ分割やディテールが控えめな旧キットでは、 塗装は単なる色付けではなく、 立体感や情報量を補うための重要な工程になります。
基本色の考え方
今回はザクらしさを大きく崩さないことを前提に、 ガンダムカラー系を基準として色を選択しました。
- ザクグリーン系
- ダークグリーン系
- フレーム部は一段暗いトーン
ここで意識したのは、 指定色の再現よりも完成後の全体バランスです。
缶スプレータイプは手軽に使えるため、 塗装に不慣れな方にも扱いやすい塗料です。
色選びに迷った場合は、 「指定色を守るかどうか」よりも、 完成時にどう見せたいかを基準に考えることをおすすめします。
グリーン系と同様に、 黒の選び方も完成度に大きく影響します。
指定では黒が使われることが多い部分ですが、 今回はジャーマングレーを使用しました。 黒ほど主張せず、それでいて締まりがあり、 全体のバランスが取りやすいと感じています。
思わぬ発見があった色
今回の制作では、 試しに使った色が想像以上に旧キットと相性が良い、 という発見がありました。
やや明るめの日本海軍色系グリーンは、 旧キットのシンプルな造形に対して情報量を加え、 アニメ寄りの印象を自然に引き出してくれます。
サーフェーサー処理
サーフェーサー処理については、 「必須」「不要」と意見が分かれる工程ですが、 今回のように加工工程が多い旧キットでは、 一度吹いて確認する価値は大きいと感じています。
合わせ目消しや削り込みを行った箇所は、 成形色のままでは状態が分かりにくく、 傷・段差・処理漏れが埋もれてしまいがちです。
サーフェーサーを吹くことで、 そうした部分が一気に可視化され、 「次に何を直すべきか」が明確になります。
また、最終塗装時にも下地の色が揃うため、 塗料の発色が安定するというメリットがあります。
サーフェーサーにもグレー・ブラック・ホワイトなど さまざまな種類がありますが、 使用する塗料や完成イメージに合わせて 使い分けるのがおすすめです。
・完成品のオモチャ感を抑える
・全体に落ち着きを与え、塗装ムラを目立たなくする
すべての塗装工程が終わった後、 つや消しトップコートを吹くことで、 完成品の印象は大きく変わります。
光沢のある仕上がりが好みの場合には無理に行う必要はありませんが、 旧キットの場合は、 つやを抑えることで実物感が一気に高まると感じています。
・鮮やかすぎる色は浮きやすい
・少しくすんだ色の方が情報量が増える
完成品ギャラリー
ここまで紹介してきた制作工程を経て完成した 旧キット1/144量産型ザクの最終仕上がりは、 別ページのギャラリーにまとめています。
全体像・正面/背面・ディテールなど、 完成後の雰囲気を静かに眺められる構成になっています。
制作を通して感じたこと
旧キット量産型ザクは、 「組めば完成するキット」ではありません。
だからこそ、
- 工作
- 色選び
- 仕上げ方
そのすべてに作り手の考えが反映されます。
まとめ
今回の制作では、
- 合わせ目消し
- ハの字加工
- 足首改修
- 塗装と色選び
といった基本的な工程を重ねることで、 旧キットならではの魅力を引き出すことができました。
旧キット量産型ザクは、 制作過程そのものを楽しむためのガンプラだと感じています。
完成した姿以上に、考えながら手を動かした時間そのものが、 この旧キットの一番の魅力だったように思います。

